見た目も性質も同じ!”本物”の、合成ダイヤモンド

-What is Lab-Grown Diamond?-
ラボグロウンダイヤモンドとは?

ラボグロウンダイヤモンドをご存知でしょうか。

ラボグロウンダイヤモンドとは、地球を傷つけることなく生まれた、新しい宝石です。
本記事では、ラボグロウンダイヤモンドの基礎知識や天然ダイヤモンドとの違い、そして名前の由来について全くわからない!という方へ向けて、ラボグロウンダイヤモンドとはどのような宝石かを簡単にご紹介します。

ラボグロウンダイヤモンド

ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドではありません。
なぜラボグロウンダイヤモンドという名称になっているかですが、ラボとは英語でLaboratory=ラボラトリー(研究施設)のことを指します。つまり、研究施設で人工的に作られる、エコロジーなダイヤモンドという事です。

ラボグロウンダイヤモンドは合成ダイヤモンド、または人工ダイヤモンドとも言われます。成分、化学組成、性質、見た目、輝き方は天然ダイヤモンドと同一で、人為的に製造されますので天然ダイヤモンドの採掘とは異なり、自然環境を破壊する事がありません。

天然ダイヤモンドとの違い

近年知名度が高まるにつれて人気も出てきているラボグロウンダイヤモンド。
天然ダイヤモンドの違いについて気になる方も多いかと思います。

天然ダイヤモンドは、30億年も昔からある地球の地中深くで生成されています。世界で採掘されるダイヤモンド鉱石のうち、美しい宝石クラスになるとみられるものはたった5%しかないと言われ、希少な鉱物とされています。ダイヤモンドが一般的に高額である理由の一つです。

ラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンの成分や化学組成、性質は同じものになります。よく、人工ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド)をキュービックジルコニアやモアサナイトなどの類似石と同じである、とインターネット上で記載されているケースが見られますが、実際には違います。
キュービックジルコニアやモアサナイトは一見確かにダイヤモンドに似ていますが、成分、化学組成、性質は全く異なるものです。それらはダイヤモンドの”類似石”と言われ、ダイヤモンドとは異なるものですので、専門店ではモアサナイトやキュービックジルコニアがラボグロウンダイヤモンド(つまり合成ダイヤモンドや人工ダイヤモンド)として売られることはありません。

ラボグロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)は人工的に作られますが、生産するためにはしっかりと品質の管理やコントロールできる設備が必要になってきます。その為人工だからといって人工ガラスや、キュービックジルコニアなどのように非常に安価で出回ることはほとんどありません。美しく宝飾用として販売されているラボグロウンダイヤモンドも、天然ダイヤモンドの相場を考慮して値付けされ売られていることも多く、相場変動はわずかにあるものの、1キャラットが数千円で購入できることはまずありません。近年はラボグロウンダイヤモンドや合成ダイヤモンドと書かれた偽物も多く出回るようになってきましたので、注意が必要です。

ラボグロウンダイヤモンドはこうやって作られる

天然のダイヤモンドは地球が生成していますが、ラボグロウンダイヤモンドは人工的に作られていることは先述いたしました。

ラボグロウンの製造方法は主に以下の2種類になります。

  • 高温高圧法
  • 科学化学気相蒸着法

高温高圧法(HPHT製法)

皆様がよく見かける婚約ゆびわなどに使われる天然ダイヤモンド。これは、地球の地表から150kmから250km下の岩石圏と言われるところで生成されています。そこの岩石圏マントルの高温高圧下で生成されたダイヤモンドは、マントルの活動により地表近くに運ばれ、それを人間が採掘しています。この高温高圧下で生成される環境を人為的に再現し、合成ダイヤモンドを生産する製法を英語でHigh Pressure(高圧) High Temperature(高温)製法といいます。これら単語の頭文字をとって、HPHT製法つまり高温高圧合成法と言い、一番天然ダイヤモンドの生成に似せた合成法だと言われています。

化学気相蒸着法(CVD製法)

通称「CVD」とよばれています。CVD製法は、HPHTとは全く異なる製造方法です。HPHT製法よりも2年ほど早く発表されたダイヤモンドの合成法となります。専用の真空容器の中で、炭素を含有したメタンガスと水素の加熱混合気相からダイヤモンドの種結晶を少しづつ育てる方法です。

CVD製法では薄くスライスしたダイヤモンドを種としており、比較的品質管理のコントロールがしやすいと言われています。そのため、短期間(主に1週間から10日)の間で宝飾用途にもできるようなダイヤモンドの結晶を作り出すことが可能になっています。技術や設備が発達すればますます製造効率が上がり、生産が容易になると期待されています。

ラボグロウンダイヤモンドの魅力

人工的に作ることが可能なラボグロウンダイヤモンドですが、以下のような魅力があります。

  • 大地を傷つけない
  • 質が良い
  • 価格がお手頃

順番に見ていきましょう。

ラボグロウンダイヤモンドは、大地を傷つけません

天然ダイヤモンドは、地中深くを掘り採掘されます。鉱山によっては厳しい寒さや暑さに耐え、過酷な労働環境下で、人による採掘が行われます。ジェットエンジンを使い、ダイナマイトも使います。掘られた採掘跡はそのまま放置され、国によっては観光跡地にもなりますが、基本的にはそのまま放置されます。

ラボグロウンダイヤモンドはエネルギーを使うからエコではないと言われることもありますが、天然ダイヤモンドの採掘に比べるとはるかに地球環境にやさしいと言うことができると思います。

ラボグロウンダイヤモンドは、品質がよく美しい

天然ダイヤモンドは自然環境下で結晶化する際不純物が混ざります。

ラボグロウンダイヤモンドは人工的に作られるため、研究施設での生成時に品質を厳しく統制することにより、より純度の高い質のいいダイヤモンドの生成が可能です。

ラボグロウンダイヤモンドは、価格がお手頃です

天然ダイヤモンドは実は相場というものが存在します。
希少価値が評価され、また長年のダイヤモンド販売の企業がプロモーションを行なってきた結果、市場価格が形成されていますが、天然ダイヤモンドは贅沢すぎてなかなか、と思われる方も多いかもしれません。

その点ラボグロウンダイヤモンドは人工的に作られますので、価格は天然に比べて比較的手頃に入手が可能です。
同じ品質で比べた時、天然ダイヤモンドが1キャラットで150万ほどのものであるとすると、らボグロウンダイヤモンドでは5分の1ほどで売られていることもしばしば。もちろんカットの品質や流通経路で発生するコストなども上乗せされますが、相場的に見ても天然ダイヤモンドよりも30~50%ほど価格が抑えられるのは、魅力だと思います。天然にこだわらないわという方へは、選択肢の幅がより増える事になるのではないでしょうか。

最後に

本記事では、ラボグロウンダイヤモンドの基礎知識や天然ダイヤモンドとの違い・名前の由来などについて解説しました。

ラボグロウンダイヤモンドの魅力が少しでも伝わるといいなと思います。

ラボグロウンダイヤモンドは、見た目も天然ダイヤモンドと全く区別がつかず、また化学組成や性質なども天然ダイヤモンドと変わりがありません。技術向上によって将来的には製造にかかるコストを抑えることが期待されており、ますます注目したいジュエリーの素材ですね。

ダイヤモンドが欲しいけど高いと感じる方は、ラボグロウンダイヤモンドのほうもぜひ視野に入れていただけるといいなと思います。

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